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食育の道への三つのきっかけ

この食育情報サイトを設立するにあたり、

私には三つのきっかけとなる思い出があります。

もしお時間があれば、ご一読下さい。

① お魚が大嫌いだったA子ちゃん 

大学生の時、私は京都のユースホステル(以下、YH)協会で

野外活動リーダーをしていました。

2回生の時、8名の子供たち(小学生)を担当して、

瀬戸内海の小島、真鍋島にやってきました。

その8名の中に、小学4年生のA子ちゃんがいました。

お父さんは、外交官。お父さんがイギリスやフランスで買った

お土産をみんなに自慢する自慢屋さんで、マイペースな

女の子でした。でも、ホントはさびしがり屋。

漁師さんの協力の下、地引網を浜で引き上げるプログラムが

ありました。

お魚大嫌い、スカート(フランス製)が濡れるのが嫌だと、

A子ちゃんはそばで見ていました。

浜では、地引網をみんなで一斉に引き上げています。

波打ち際で魚が勢いよく跳ね出しました。

気がつくと、A子ちゃんもスカートを濡らしながら、

浜で網を引いています。

打ち上げられた魚を、みんな手づかみでバケツに入れていきます。

お魚大嫌いのA子ちゃんも、つられてなんと手づかみでバケツに

入れています。

カラフルな色の魚を見つけると、どうやら名前を付けたらしく、

持って帰って家で飼うのだ、と言いながら、みんなで調理場の方に

運んで行きました。

その後、、、、、

夕食の時間になって、ふと見ると、A子ちゃんが席で泣いています。

近づいてみると、、、さっきのカラフルな魚がしっかりと焼かれて、

お皿の上に乗っていました。

周りのみんなは、とうに食事を始めましたが、

A子ちゃんは、まだ箸を取っていません。

「A子ちゃん、どうしたの?食べないの?」と聞いてみると、

「だって、、、」とけっこうショックだった様子。

「でもね、A子ちゃんがきれいに食べてあげないと、

このお魚さんは捨てられてしまうよ」と、言ってみると、

やがて箸をつけて食べ始めました。

でも、「ごめんね」と泣きながら食べているので、

お魚の上に涙と鼻水がボタボタ落ちています。

食事の後、A子ちゃんは食べた後のカラフルなお魚の骨を持って、

暗がりへ走って行きました。

後をつけてみると、海岸の砂を掘って埋めています。

小石を乗せて、お墓を作ってあげたみたいです。

その晩の彼女の日記には、

「お魚が、たくさんとれた!」

「気持ち悪かったけど、手でつかんだ!」

「名前をつけた!」

「けど、食べちゃった!」

「お墓を作ってあげた。天国に行けたかな?」

と、書いてありました。

今にして思えば、まさに「食育」なのでしょう。

生き物が自分のご飯になる、と言うことを分かってもらえた一日でした。

② ケーキに目が釘付け! 

ダイエー店内で年末にクリスマスケーキの料理デモを行ないました。

椅子に座って最後まで見て下さった方には、講師が作ってイチゴの

ケーキを試食してもらいます。

デモが終了して試食タイム。みなさん満足げに、お帰りになりました。

やれやれと思って会場を囲っていたロープをほどくと、

遠巻きに見ていた5人の子供たちが、予め講師が作っておいた

ディスプレイ用のケーキの前に近寄って来ました。

ちなみに、これはスタッフがバックヤードに持って行って、

みんなでおすそ分けする予定でした。

しかし、子供たちはじわじわと近寄っていき、

ケーキから10cmのところまで到達した。

撤収しようと近づいても、動こうとはしません。

「ごめんね、もう片付けるからね、、、」と言っても、

まだ動きません。

こちらが根負けして、「食べたい?」と聞くと、

待ってましたとばかり、はっきりとうなずきます。

「じゃあ、紙皿に分けるから、こぼさないようにお行儀よく食べてね」

と分け与えると、たくさんこぼしながら食べてくれました。(やっぱり、、)

聞いてみると、デコレーションケーキを作っているところを初めて見た

とのこと。

あまりにも美味しそうだったので、食べてみたかったとのことでした。

作っているところを見る機会って、案外ないのかもしれない。

子供たちのきらきらした目が印象的でした。

(掃除も、たいへんでした、、こぼすし、、)

③ 最初から最後まで、きゃっきゃっとはしゃぎ通し

ダイエー店内の料理教室。5テーブルと少人数制でした。

講師がテーブルでデモを行ないます。

上記と同じイチゴのショートケーキでした。

講師がたっぷりとクリームを作り上げて、

スポンジに塗りつけていきます。

お母さんと参加したB子ちゃん(小学2年生)は、

もうここからはしゃぎ通し。

実習になっても、「きゃっきゃっ」と興奮は収まりません。

よく見ると、手もエプロンもクリームでどろどろです。

でも、ご機嫌のまま試食をしていました。

帰りがけに、お母さんがこうおっしゃいました。

「こんなにこの子が喜ぶくれたので、とても楽しく過ごせました」

お母さんに、すぐに材料を買って、また家で作ろう、と

言ってくれたそうです。

自分で作ってケーキは、また一段と美味しかったに違いありません。

ケーキ作りに目覚めてくれたのでしょうか?

「こういった親子料理教室には、他にもよく参加されるのですか?」

と聞いてみたところ、

「行ってみたいけど、探す方法が見つからないんです。」と言われました。

それならば、食育的なイベントや施設、商品などの情報サイトがあれば、

お役に立てるかもしれないと思うようになりました。

以上、食育と言うと、私は上記の出来事を思い出します。

理屈も確かに大切ではありますが、

実体験に勝るものは、ありません。

子供たちにとって思い出になるような体験を、

もっと得られる機会を作っていきたいと思います。

代表  衣巻 浩志